2026年10月3日2026年9月23日に投稿 投稿者 元)新人監督 — コメントを残す南部 陽一郎【自発的対称性の破れを使って素粒子を研究|大戦時はレーダー研所属】‐10/3改訂 こんにちはコウジです。半年ごとの記事見直しです。 では、ご覧ください。内容を整理し、 主にリンクを見直しました。 現時点での英訳も考えています。 (以下原稿です)対称性の破れ 【スポンサーリンク】 【1921年1月18日生まれ ~ 2015年7月5日没】【引用:Wikimedia Commons‗南部陽一郎】 戦時下の南部陽一郎南部 陽一郎は第二次世界戦時に理学を志しました。 まさに時は戦時中。彼の頭脳は武器製造に貢献できる と判断されて陸軍のレーダー研に配属されました。戦時下ではどんな研究をしていたんでしょうね。 そして、ご本人はどんな気持ちだったのでしょうね。戦争の前後で東京帝国大学で研究を進めます。 戦後、南部 陽一郎は朝永 振一郎のグループで研究を続けます。 そして物質を構成する原子を考えていき、 今に続く素粒子論を完成させていきます。南部陽一郎と自発的対称性 南部陽一郎の新規性は真空概念の再考でしょう。「特定の対称性をもった物理系が特定の対称性を持つ物理系でも、エネルギー的に より安定な状態が存在する場合、系は自発的にその真空状態へと移行」します。BCS理論でのクーパ対生成はこの考え方に従っています。電子対の生成が「安定」です。中間子をひもとき、素粒子間の総合作用を考え、 その形成に関して実験事実と、つじつまの合う 理論を展開していきます。そうした研究を重ね南部陽一郎は「自発的対称性の破れ」で ノーベル賞を受賞しています。南部陽一郎の話の組み立てとしては、 強磁性体の自発磁化状態(外部からの磁場無しで 内部磁気モーメントを揃えている状態)が温度上昇に伴い 磁化を失う状態を考え、ラグラジアンを巧みに使い 素粒子に適用しているのです。また彼は量子色力学や紐理論でも成果を上げています。南部陽一郎からヒッグス機構へ南部陽一郎の「自発的対称性の破れ」は、その後の素粒子物理学を 理解する重要な考え方につながっていきました。南部がこの問題を考えるきっかけの一つとなったのが、超伝導を説明するBCS理論でした。 超伝導状態では、電子がクーパー対を作ることで、通常とは異なる秩序を持った状態が現れます。 南部はここから、物質の中だけではなく、素粒子の世界でも「対称な法則から、実際の状態では 対称性が破れて見える」という現象が起こり得るのではないかと考えました。 CERNの解説でも、南部がBCS理論を理解しようとする過程から自発的対称性の 破れを素粒子論へ発展させたことが紹介されています。南部にとって重要だったのは、真空を単なる「何もない空間」として扱わなかったことです。 物理法則そのものは対称性を持っていても、真空がその対称性を保たない状態を 選ぶことがある。これが「自発的対称性の破れ」という考え方です。この考えは、南部・Jona-Lasinioによる研究や、その後のGoldstoneらの研究へと 発展しました。そして1960年代には、Anderson、EnglertとBrout、Higgs、 Guralnik・Hagen・Kibbleらによって、ゲージ理論における質量生成の仕組みが 発展していきます。現在この仕組みはヒッグス機構として知られています。ここで南部の仕事とヒッグスの仕事を同じものとして扱わないことも大切です。 南部が素粒子論に導入した自発的対称性の破れという考え方が、後の理論物理学に 大きな影響を与え、その一つの重要な発展としてヒッグス機構が形成されました。2012年、CERNのLHC実験で新しい粒子が発見され、その性質は標準模型の ヒッグス粒子と整合しました。これはヒッグス機構を検証する大きな実験的成果でした。 一方で、それを「南部の理論そのものが2012年に証明された」 と単純化するのではなく、南部の考えが後の標準模型につながる 理論的な流れの一部になった、と捉える方が適切です。南部陽一郎の仕事を読む面白さは、ここにあります。超伝導という物質の問題から出発し、対称性を考え、 真空そのものを考え直し、それが素粒子の質量や標準模型へつながっていく。一つの理論を完成させただけではなく、異なる物理現象の間に共通する構造を 見つけたことが、南部の研究を理解する鍵になるのです。南部陽一郎の事実① ノーベル賞‗南部は2008年 ノーベル物理学賞を受賞しました。 受賞理由は「自発的対称性の破れの発見」です。 【共同受賞者小林誠・益川敏英(CP対称性の破れ)】② シカゴ大学‗南部陽一郎は長くシカゴ大学で研究しました。 ここはエンリコ・フェルミやマレー・ゲルマン などがいた、理論物理の中心地です。③ 弦理論への貢献‗南部陽一郎は弦理論 の初期研究にも関わっています。弦の作用:Nambu–Goto actionとして知られています。そういえば、南部洋一郎は私が学生時代に使っていた教科書の著者でした。 その時点で米国の国籍を得ていた記憶があり、 研究者に対しての日本での待遇に疑問を抱いたものです。私は理論物理学の研究室に所属して居ましたが、 卒業後も研究を続けて研究者として身を立てている仲間は 今では数えるほどしかいません。多くは私のように、 民間の会社に所属して物理学とは全く関係のない業務に従事しています。少子化という流れもありますが名誉職としての教授に対して 日本社会の扱いは低いとも感じていました。 狭き門である事に加えて扱いが低いのです。 そして、南部陽一郎のような優秀な頭脳は どんどん海外に流出していきます。 それだから南部 陽一郎がアメリカに帰化した気持ちは少しは理解出来る気がしてしまうのです。関連する物理学者(前後の流れ)◀ 前の人物:久保亮五▶ 次の人物:中嶋貞雄この分野の物理学者(素粒子物理学・量子論)朝永振一郎 ― 量子電磁力学湯川秀樹 ― 中間子論南部陽一郎 ― 自発的対称性の破れ小林誠 ― CP対称性の破れ益川敏英 ― クォーク世代とCP対称性の破れマレー・ゲルマン ― クォーク模型・素粒子論南部陽一郎を別の角度から読む南部陽一郎は日本で研究しただけでなく、長くアメリカで 研究活動を続けました。アメリカで活躍した物理学者 の流れから見ると、日本の素粒子物理学とアメリカの研究環境が 交差する人物としても見ることができます。また、南部陽一郎は1921年生まれなので、 20世紀生まれの物理学者 の流れから読むこともできます。東京大学での研究から戦後の素粒子論、そしてシカゴ大学での 研究へと歩みを追うなら、東京大学関連の物理学者 も合わせてご覧ください。〆以上、間違い・ご意見は 以下アドレス迄お願いします。 適時、返信改定をします。【スポンサーリンク】nowkouji226@gmail.com2020/09/10_初版投稿 2026/10/03_改定投稿サイトTOPへ 舞台別のご紹介へ 時代別(順)のご紹介 日本関連のご紹介 東大関連のご紹介 量子力学関係へ AIでの考察(参考)【このサイトはAmazonアソシエイトに参加しています】【2021年11月時点での対応英訳】Yoichiro Nambu during the warYoichiro Nambu aspired to his research during World War II. However, the time is during the war. Judging that his brain could contribute to the manufacture of weapons, he was assigned to the Army’s Radar Lab. What kind of research did he do during the war? And what was your feeling? Before and after the war, he pursued research at the University of Tokyo. After the war, Yoichiro Nambu continued his research with Shinichiro Tomonaga’s group. And he thinks about the atoms that make up matter, and completes the theory of elementary particles that continues to this day.Spontaneous symmetry with Yoichiro NambuYoichiro Nambu’s novelty would be a rethinking of the vacuum concept. ・ “When a physical system with a specific symmetry considers various states with energy, it spontaneously settles into a more stable vacuum state.” Cooper pair production in BCS theory follows this idea. The electron pair generation is stable.We will consider the overall action between elementary particles when using mesons, and develop a theory that is consistent with experimental facts regarding the formation of mesons. After repeating such research, Yoichiro Nambu won the Nobel Prize for “spontaneous symmetry breaking”. As for the construction of Yoichiro Nanbu’s story, considering the state in which the spontaneous magnetization state of the ferromagnet (the state in which the internal magnetic moments are aligned without an external magnetic field) loses magnetization as the temperature rises, the Lagradian is skillfully used. It is applied to particles. He has also been successful in quantum chromodynamics and string theory.by the way,Yoichiro Nanbu was the author of the textbook I used when I was a student. I remember he had American citizenship at that time I was skeptical about the treatment of researchers in Japan. I belonged to the laboratory of theoretical physics, but now there are only a few colleagues who continue their research after graduation and become researchers. Many, like me, belong to a private company and engage in work that has nothing to do with physics.Although there is a trend toward a declining birthrate, I also felt that the treatment of Japanese society was low for professors as honorary positions. In addition to being a narrow gate, it is not easy to handle.that is whyI feel that I can understand the feeling that Yoichiro Nambu was naturalized in the United States.Follow me!関連FacebookXBlueskythreadsHatenaCopy投稿ナビゲーション前の投稿: デモクリトス【インドまで出かけて見聞を広め、原子・統計を始めた賢人】‐10/2改訂次の投稿: アルキメデス【兵器を発案し円周率を推定(幾何学的考察)した多彩な人】‐10/3改訂 コメントを残す コメントをキャンセルコメントを投稿するにはログインしてください。このサイトにつきサイト運営者は学生時代、特に凝縮系の問題を好んでました。このサイトは基本的には20世紀前半の物理学者を中心とした科学者の列伝です。※おまけとして、13徳と呼ばれるベンジャミンフランクリンの言葉を残します。春の第1・2週は、◆節制 : 飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。◆沈黙 : 自他に益なきことを語るなかれ。 駄弁を弄するなかれ。アクセス住所 114-0000 東京都北区営業時間 月〜金: 9:00 AM – 5:00 PM 土日: 10:00 AM – 3:00 PM【それ以外は家族の時間】