デモクリトス
【インドまで出かけて見聞を広め、原子・統計を始めた賢人】

ギリシア哲学史
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【BC460年頃 ~ BC370年頃】

 原子論の始まり

デモクリトスは、古代ギリシアの哲学者です。苗字と名前がありそうだから調べてみたら見つかりません。この時代には未だ無いのかも知れません。何よりデモクリトスは初期の原子論を明確に示した人です。

デモクリトスはレウキッポスを師匠として考察を始め、その理論を確立しました。ベルシャの僧侶やエジプトの神官に学び、果てはインドやエチオピアまで出かけて見聞を広めたそうです。そんな活動的な人生を歩んでいて、仕舞いには生活に困るようになってしまい、最後は故郷のご兄弟に扶養の世話になっていたそうです。ただ死後はデモクリトスの著作物の公開朗読によって多額の贈与を受け国葬されたと伝えられています。こうした話を聞くと人徳について考えてしまいますね。デモクリトスはまさに「人が語り継ぎたい」と考えるような立派な人だったのです。隣人にそう思わせる人柄だったのです。

デモクリトスと統計的総合作用

 デモクリトスは、世界を「見えるもの」ではなく「小さな粒(原子)」の集まりとして理解しようとしました。つまり、あらゆる物体を小さな単位の集合として捉えるという考え方――後の統計的な思考の“原点”を作ったのです。これは、世界を数や比率で説明しようとする最初の試みとも言えます。ハイゼンベルグはその著書「現代物理学の自然像」(1955)において指摘しています。
「デモクリトスは次の命題を立てている。『甘いもの、または酸っぱいものはただ見かけだけであり、色はただ見かけだけであり、実際にはただ原子と空間があるだけである。』 」

デモクリトスは統計的な手法を発展させられる時代には生きていませんが、「統計的考え方の土壌を作った」と断言できます。

たとえば、私たちが「甘い」と感じる味覚も、ハイゼンベルクの理解では“原子の動きと配置の組み合わせ”で説明されるものです。つまり、感覚や色、音の違いさえも、原子と空間の配置という「統計的な構造」が作り出しているのです。

そして、デモクリトスの命題を解決するための
「原子と空間の新しい理論」をハイゼンベルグは全力で模索したのです。
食物は、燃やしてしまえば匂いも舐めた味もほぼ均一化されるのです。
人間生活の上で大事なものは対象物の、①特定時間での統計的法則性でありまた、観測する(または過去の事象の場合はパラメターを採取する)②タイミングなのです。統計的な手法によって、私たちは「現実を最もよく説明する近似値(=統計の解)」を求めることができます。そして、その解が本当に最適かどうかを比較・検証するという科学の方法論が、ここから始まっていったのです。

また、上記①、②と最適解の判断が、会話の中で出来ていない人は残念な人として扱われてしまいます。皆さん、少しでも良い議論を交わして下さい。

デモクリトスは哲学、詩学、倫理学、数学、天文学、音楽、生物学などで博識を示し、「知恵 (Sophia)」の異名を受けていました。私の視点では(物理学の観点から)原子論を創り出した点が特に重要です。

物質根源への定性的アプローチ 

物質の根元についての学説は、(後の)アリストテレスが完成させた四大元素(火・空気・水・土)が別途あって、時代ごとに原子論か四代元素かのどちらかが主流となって人々は根源物質を考えていました。デモクリトス以後、原子論は長らく反主流でしたが、ジョン・ドルトンの時代に彼によって優勢となりました。

【ドルトン以降の原子論は、デモクリトスの説と全く同じではありません。】ドルトンの時代には対象原子の質量やサイズに関する議論は無かったようですが、物質の根源物質を原子として考えて、元素の種類があると考えたのです。

現代では、原子は核反応によって別の元素に変わることもわかっています。しかし、日常生活で目にするあらゆる物質が、共通する最小単位「元素」の組み合わせでできている――この考えの原型を、デモクリトスはすでに語っていたのです。


化学的手段が無い時代に、こうした基礎知見を
確立できたのは驚くべき考察力です。

デモクリトスの洞察は、後の科学の根幹そのものに息づいています。
現代の量子物理学や統計力学も、実は彼の「原子と空間」
という発想を出発点にしているのです。いまもその知恵は、
私たちの科学的な思考の奥に静かに流れ続けています。

〆最後に〆



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2021/10/06_初版投稿
2025/10/23_改定投稿

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(2021年10月時点での対応英訳)

The beginning of atomism

Democritus is an ancient Greek philosopher. I can’t find it when I look it up because his last name and name are likely to be there. It may not be there yet in this era. Above all, Democritus is a person who clearly showed the early atomism.

Democritus established the theory with Leucippus as his mentor. He learned from Bersha monks and Egyptian priests, and eventually went to India and Ethiopia to spread his sights. He was living such an active life, and his disposition made him difficult to live, and in the end he was taken care of by his brothers in his hometown. However, after his death, it is reported that he was given a large gift and was state funeral by public reading of Demox’s work.

Democrates has shown knowledge in philosophy, poetry, ethics, mathematics, astronomy, music, biology, etc., and has been nicknamed “Sophia”. From my point of view, it is especially important that I created atomism (from a physics point of view).

Qualitative approach to material origin

The theory about the roots of matter has four major elements (fire, air, water, and soil) completed by (later) Aristotelis, and either atomism or the fourth element is the mainstream for each era. People were thinking about the source material. Atomism has long been anti-mainstream since Democrates, but was dominated by him during the time of John Dalton. [Atomism after Dalton is not exactly the same as Democritus’s theory. ] It seems that there was no discussion about the mass and size of the target atom, but I thought that the source substance of the substance was considered as an atom and that there were different types of elements. In reality, atoms change due to nuclear reactions, but Democrates argued that substances that support daily life can be expressed using the smallest unit called “elements.” It is a surprising record that we were able to establish such basic knowledge in an era when there was no chemical means. The insights derived by Democrates contributed significantly to the later development of physics. Knowledge is being deepened steadily even now.

〆Finally〆