2025年7月13日2025年7月13日に投稿 投稿者 元)新人監督 — コメントを残す超伝導量子ビット技術の応用としてのエンタングルメント【トピック】(量子コンピュータ実現までの道のり) 以下の草稿が数学・物理通信に掲載されました。【15巻2号】 原稿は名古屋大学・谷村省吾先生のサイトに掲載 されておりますので、完成稿をご覧頂くことが出来ます。 【谷村先生、ありがとうございます!】以下、草稿として残しますのでご参考に。〈古くて新しい概念「エンタングルメント」そして私〉皆様初めまして。早大理学修士卒のコウジです。この度はネットを通じた活動の中で編集者さんから寄稿依頼を頂き。数学・物理通信への投稿を挑戦させて頂きます。今回題材としているエンタングルメントは大きなテーマではありますが、私自身が出来るだけ深く理解咀嚼したい言葉です。本文が掲載された際には多様な方々の議論を、と期待しています。学生であれ社会人であれ物理を考えて欲しい。そんな議論に対応できる理論が良い理論なのだろうと思います。そして個人的に責務と意義を感じている訳です。その議論の中で少しでも理論が進んでいくことを望みます。私自身は物理の世界から離れて久しいのですが、その視線がネットの世界では大事だとも思えます。大筋で間違いがないか、主張が筋違いではないか不安は尽きません。ただ皆様、時間のある時に一読頂き率直なご意見を下さい。機会があればこうした活動は今後も継続していきます。昨今、ノーベル賞関連でベルの不等式の破れが話題になっています。直接この事実が量子論の有効性を議論しているわけでは無いと私は考えますが、古典力学·電磁気学で話が収まらない領域だと誰しも考える事でしょう。そこで議論の焦点として1935年を中心に考えています。また量子コンピュータの中でエンタングルメントが大きな役割を果たしており、基本に帰って考える事でその性能指標を少しでも向上出来る足掛かりとなる筈だと考えます。斯様な視点でご一読下さい。本稿は重ね合わせ・エンタングルメントの概念を中心に考えていて、応用的側面の考察まで及んでいない点も明記しておきます。 また文章形式でウェブライティングに染まっている部分がありますが、ご了承下さい。以下が原稿で、私の運営しているブログは 物理学への道標【科学史から】です。 (URL;https://www.nowkouji226.com/)☆☆☆1.〈「重ね合わせとエンタングルメント」〉本稿では物理学での大事な概念である 「重ね合わせとエンタングルメント」 について3つの角度から掘り下げていきます。1925年のハイゼンベルグの行列力学の論文以後に生まれ、様々な解釈が続き、エンタングルメントも段々に実態を表していきます。多くの人が議論して育んでいる概念です。会社員兼ブロガーとして活動している私・コウジが、一般の人に出来るだけ分かり易く「重ね合わせとエンタングルメント」という興味深い物理現象をご紹介してみたいと挑戦します。エンタングルメントに関心を持っている方はじっくり読んでみて下さい。そしてご意見を頂けたら幸いです。〈視点1.シュレディンガー【1935年発表「量子論と測定」】〉さて、シュレディンガーによる1935年発表の 「量子論と測定」に出てきた重ね合わせとエンタングルメント の概念に着目しご紹介します。その論文はいわゆる アインシュタイン達のEPR相関が提唱された直ぐ後に提起され、 後の時代の視点で考えたら、量子力学における局所性 に対しての土壌を示したとも考えられます。量子力学の限界を疑問視していたとも解釈されます。量子力学は優れたモデルですが、 シュレディンガーが疑問に思ったように完全に物理現象が把握出来ているか吟味解釈し続けなければなりません。当該論文(1935年)で「シュレディンガーの猫」の 思考実験が使われます。絡み合った量子力学的な事象が観測事実と 関連されていくのか、シュレディンガーは疑問を呈したのです。念の為に実験環境を再現しておくと、①箱の中に猫が居て、毒物で猫が死ぬかもしれない②量子力学的な事象がガイガーカウンターと連動している③ガイガーカウンターが猫の毒殺装置と連動している結局のところは、 思考実験の環境を作っておけば箱を開けるまで 猫が死んでいるか生きているか分からないので 普通(⇒巨視的(常識的))に考えたら 判断しかねる(⇒もつれあった)現象が 箱を開けるまではっきり言えないということになり どっちなのか量子力学と巨視的な猫の状態で 「説明してみて御覧なさい」というのが シュレディンガーの疑問提起です。☆☆ここでの絡み合いが「量子多体問題における相関」ではない点にも注意が必要です。猫は沢山の量子から構成されますが実験の結果に関わる量子はガイガー計に「崩壊してますよ!!」とあるタイミングで情報を発信する原子です。対象原子が他の原子と相関している想定ではありません。とはいえ、私自身がシュレディンガーの原文を読みこなせていたか再考してみても良いかも知れません。英訳版があった気がするのですが未確認です。センサーと崩壊する原子間のエンタングルメントは仄めかされて(ほのめかされて)いないでしょう。論文の主題は隠れた変数へとつながる量子力学の全体像への問題提起だと理解しています。時間平均・空間平均といった概念をシュレディンガーは波動関数に対してどのようにとらえていたのでしょうか。興味は尽きません。ディラックの表現によれば波動関数は統計的側面を持つと言えます。特定の観測値を持つ波動は確率で表現されます。 1930年に初版が書かれた教科書 【dirac「量子力学」】から一文を引用します。 「観測結果の計算には避けられない不定さがあり、そして理論のなしうることは、一般 には我々が観測をする時にある特定の結果が得られる事の確率を計算するだけである」波動関数を使う議論では、結果として猫が死んでいるかもしれないのです。☆☆〈視点2.2000年にJonathan R. Friedman〉更に時代は進み、20世紀後半となってA.J.Leggett が洗練された手法で磁束やジョセフソン効果などを巨視的量子現象 として議論します。いわゆるトンネル現象を使うのです。そして2000年にJonathan R. Friedmanが「Detection of a Schroedinger’s Cat State in an rf-SQUID」 【Quantum superposition of distinct macroscopic statesJonathan R. Friedman, Vijay Patel, W. Chen,S. K. Tolpygo & J. E. Lukens(Nature稿)】 で重ね合わせを再度取りあげます。ここでの状態は広い意味でのエンタングルメントであって二つの状態の重ね合わせの状態であるとも言えます。重ね合わせとエンタングルメントは近い概念ですが、 現代の議論の中では一緒の概念ではありません。ご紹介しているFriedmanの説明の中では「シュレディンガーの猫」に対応して「基底状態の磁束と第一励起状態の磁束」が現れます。引用しているFriedmanの論文での実験セッティング(図C)において「A separate SQUID acts as a magnetometer,measuring the flux state of the sample.」という部分に注目してみて下さい。磁気計(SQUID)がサンプル(SQUID)内での 巨視的な姿をとらえて重ね合わせが観測できるのです。 こうした実験を人類は何百年も続け、議論を深めて技術を進化させています。 外部環境との相互作用が無視出来る適切な条件下では巨視的な実在は十分に量子的に振舞います。ここで猫の入った環境と外部環境は生死を判別する事だけが接点でしたがSQUIDの系と外部環境は十分に切り離されてコントロールされ 重ね合わせの様子が感じられると言えるのです。こうした状況で20世紀後半には実験的に巨視的な量子効果と言える状況が実現しています。Friedmanらは巨視的効果が見える状況下で重ね合わせの状況を観測にかけたのです。具体的には10の10乗個程度の数の電子が位相を揃えて運動する「超電導状態」で現象が生じていて、実際に観測にかかっています。2022年にアスペ等がベルの不等式(CHSH不等式)の破れを実験的に説明しノーベル賞を受賞しましたが、様々な形で観測にかかる形でエンタングルメントも具現化していると言えます。厳密には「古典的解釈が成立しないという証明に過ぎない」という見解は必要です。しかし、エンタングルメントという言葉が明快に実験の事実と数学上での干渉項を解釈していくのです。もはやエンタングルメントの状態は巨視的現象として存在しています。そして、なにより今、量子コンピューターではエンタングルメントを想定して、超並列計算をしています。☆☆☆〈視点3.量子コンピューターの進化〉本稿では最新の活用事例として量子コンピューターをご紹介し、このタイミングでエンタングルメントの状態を再解釈します。応用されている状態であるエンタングルメントは「多体量子系でのもつれあいの状態」です。そして、歴史的な概念成立に鑑み、今まさに活用されている現代の量子コンピューターでの進化を考えていきます。1994年にベル研のW.Shorが量子Turing機械を活用して「因数分解問題と離散型対数問題を非常に小さな誤り確率で高速に解ける」という事実を明らかにして技術的な可能性を明示しました。この意義は深く、現在の全ての暗号化技術を凌ぐ性能の新型コンピューターが具現化している過程であるとも言えます。量子コンピューターでの基本素子QBITを考えるうえでとても大事な概念となるのがコヒーレンスと、その反対の概念デコヒーレンスです。「重ね合わせの状態」をQBITの中で活用して「並列計算」を進めていく手法が重要です。並列計算が既存コンピューターと量子コンピューターで大きく異なります。そして重ね合わせの状態が保たれているコヒーレンスが 壊れる概念であるデコヒーレンスがとても大事です。 その時間の長さは演算可能な時間に関わってきます。日本語で表現すれば「干渉状態の喪失」とでも言えるでしょう。重ね合わせ状態が外部環境などとのやりとりで壊れていく姿は自然に思えます。ただし、可逆な古典理論での枠組みでは説明がつかない現象です。「ニュートン力学は可逆で、現実世界は不可逆です。」水中のボールが減速していく様子はニュートン力学では再現出来ません。微視的に考えていくと沢山の水分子がボールに弾性衝突をくりかえすのです。その可逆な過程は、統計的に考えていく時点で不可逆な要素が出てくるのです。ボールが速度を増すことはあり得ません。統計的な作業は本質的であるとも言えるので別項を設けて数学的に説明したいと思います。ただ、そうした作業の中で何故か不可逆性が出てくる所が話の妙です。何故か出てきます。出てくるものです。「シュレディンガーの猫」の現代的解釈でもデコヒーレンスは大きな役割を果たし、干渉喪失の時間が観測時間に対して非常に短いことから「重ね合わせが成立しない」と表現されます。対して「Freadmanの実験系」では干渉喪失の時間上での問題が生じていないで「重ね合わせの状態が観測できていた」訳です。量子コンピューターでもこの「デコヒーレンス時間」が大きな役割を果たします。仕組みとして量子コンピューターの回路でキーとなるのは新しい素子である量子ビット(Quantum bitからQUBITとも呼ばれます)です。新しいビットの中では従来型と異なった情報を保持をします。すなわち、従来型の「0」か「1」という情報の他に量子コンピューターはその「重ね合わせ」の状態を持ててその「重ね合わせ状態」がいわゆる、「Shorのアルゴリズム」を可能にします。(写真は従来の基盤の写真です)2.理研の中村泰信さんの論文から私は最近、中村さんに大変注目していて、そこから話を続けます。(先に引用しているFrieadmanの論文で引用されているY.Nakamuraが、ここで出てきている中村さんでしょう。)特に私が最近稼働を始めた量子コンピューターを勉強していて今まで分かりづらかった情報読み出し機構について明快に2021年の論文で説明をしています。ジョセフソン接合ユーチューブで公開されていますが、理化学研究所導入の量子コンピュータでは「線幅100nm~200nmのジョセフソン接合」を使い量子ビットの回路を作り上げています。ジョセフソン接合は具体的に超伝導体(例えばAL)で絶縁体(例えばAL2O3)を挟みます。これを使い従来型の回路であるLC共鳴回路を発展させていく事が出来ます。【以下、応用物理‐第90巻より引用(太字部)】超伝導体と超伝導体の間のトンネル接合であるジョセフソン接合の寄与により,強い非線形性を導入することができる.ジョセフソン接合は回路上で非線形なインダクタンスとして振る舞う.理化学研究所で導入している量子コンピュータを始めとして世界中で今開発されているほとんど全ての量子コンピュータでは回路量子電磁力学の考え方に基づき、以下で述べるアイディアを応用しています。超伝導共振器を使うアイディア技術的にもう一つ特徴的な点はマイクロ波で量子ビットを制御する点です。回路内のジョセフソン接合が実効的に非線形のLC回路として動作する点が重要です。ジョセフソン接合は絶縁体を超伝導体で挟んでいるので「キャパシタとして働く」事情は容易に理解できますが、同時にジョセフソン効果によって非線形のインダクターとしても機能します。故に非線形LC回路を構成します。【以下、応用物理‐第90巻より引用(太字部)】量子情報を非調和的な量子ビット回路に蓄えるのではなく,超伝導共振器に蓄えようという アプローチである.後者の利点として,ジョセフソン接合を必 要としないため,電磁場モードが空間中に広がり表面・界面 欠陥の影響を受けにくい 3 次元的な空洞共振器を用いるなどして,量子ビットと比べて高い Q 値すなわち長いコヒーレンス時間を実現することが容易であることが挙げられる.加えて,共振器中のデコヒーレンスは光子の損失によるエネルギー緩和が支配的で位相緩和がほぼ無視できること,また調和振動子特有の等間隔に並んだ多数のエネルギー準位によって形成される大きな状態空間を用いた量子誤り訂正符号を実装可能 であることも利点である.(中略)量子ビット状態の非破壊射影読み出し機構として,この回路量子電磁力学のアイデアが使われている.すなわち,量子ビットにそれとΔだけ離調した読み出し用共振器を結合させ,量子ビットの状態に応じた読み出し用共振器の共鳴周波数シフト(分散シフト~(g^2) /Δ)を,読み出し用マイクロ波パルスの受ける反射位相の変化として検出することによる記号詳細のご説明は主題から大きくズレていきそうなので控えます。もともとの考えはA. Wallraff, D.I. Schuster, A. Blais, L. Frunzio,J. Majer, M.H. Devoret, S.M. Girvin, and R.J. Schoelkopf等によって Phys. Rev. Lett. 95, 060501 (2005).にて議論されていた内容です。中村氏がSQUIDなどと合わせて全体像を解説してくれている中で紹介されています。私はこの考えに教えられ、今まで見てきたユーチューブなどで不可解だった量子コンピュータ基盤のパターンが段々と納得出来るようになりました。共振側の回路でのコヒーレント時間が確保できれば実用上、量子コンピューターの計算が進められます。私は「(電源ではない)情報のトランスミッター」といったイメージで共振器を考えています。そして音波の共振が共振体に介在する媒質に左右されるのに対して超伝導共振器の挙動はどう異なるのでしょうか??機会が有れば更に検討したいです。ここでのエンタングルメントは定量評価出来るのでしょうか??「関連論文読みなさい!!」と言われそうですが、勿論、後ほど読んでいく積りです。中村氏の論文の中でも「シュレディンガーの猫状態」なる表現は使われ、QUBITの中で分かる状態(0か1か)と混在した状態(0または1)が議論の上で区別されています。現代の解釈の中ではエンタングルメント状態は観測で最終的に確定しうるという立場をとっている点を大事に考えてみて下さい。観測のタイミングが大事です。そしてまた、共振をしているQUBITと共振器も同じ状態を保ちながら演算に関わります。共振を始めた時点で古典力学的な振り子運動がイメージ出来て離散的な2準位系で|0>と|1>という2つの状態(ケット)が共振していくのです。重ねあわされた量子ビットが動きます。そして、こうした技術の進展を積み重ねて、量子コンピューターは開発されていきます。今もまた、開発は進んでいます。そして知的な活動の発展(積み重ね)の重要さを最後に強調させて頂きます。学ぶこと、語り合う事、合意として「概念」を作っていく事は楽しいのです。知的探求心こそ人が作り上げた喜びです。そんな楽しさを知っている人間達は(特に物理学者は)「AIが概念を自己生成」していくようになっても議論を続けている事でしょう。そして、AIと人間が競うように考え続ければ更に楽しく議論は続くかもしれませんね。楽観論でしょうか。楽しみましょう。〆以上、間違い・ご意見は 以下アドレスまでお願いします。 問題点に対しては 適時、返信・改定をします。nowkouji226@gmail.com2023/07/08‗初稿投稿 2024/02/03_ 改訂投稿舞台別のご紹介へ 時代別(順)のご紹介 力学関係へ 電磁気関係へ 熱統計関連のご紹介へ 量子力学関係へ【このサイトはAmazonアソシエイトに参加しています】(最後に、参考としてLA・TEX稿を掲載します。)\documentclass{article} \usepackage{fontspec} \setmainfont{Arial}\begin{document}\section*{\centering 古くて新しい概念「エンタングルメント」そして私} \paragraph{\centering 皆様初めまして。早大理学修士卒のコウジです。この度はネットを通じた活動の中で編集者さんから寄稿依頼を頂き。数学・物理通信への投稿を挑戦させて頂きます。今回題材としているエンタングルメントは大きなテーマではありますが、私自身が出来るだけ深く理解咀嚼したい言葉です。本文が掲載された際には多様な方々の議論を、と期待しています。学生であれ社会人であれ物理を考えて欲しい。そんな議論に対応できる理論が良い理論なのだろうと思います。そして個人的に責務と意義を感じている訳です。その議論の中で少しでも理論が進んでいくことを望みます。} \paragraph{\centering 私自身は物理の世界から離れて久しいのですが、その視線がネットの世界では大事だとも思えます。大筋で間違いがないか、主張が筋違いではないか不安は尽きません。ただ皆様、時間のある時に一読頂き率直なご意見を下さい。機会があればこうした活動は今後も継続していきます。} \paragraph{\centering 昨今、ノーベル賞関連でベルの不等式の破れが話題になっています。直接この事実が量子論の有効性を議論しているわけでは無いと私は考えますが、古典力学・電磁気学で話が収まらない領域だと誰しも考える事でしょう。そこで議論の焦点として1935年を中心に考えています。また量子コンピュータの中でエンタングルメントが大きな役割を果たしており、基本に帰って考える事でその性能指標を少しでも向上出来る足掛かりとなる筈だと考えます。斯様な視点でご一読下さい。} \paragraph{\centering 本稿は重ね合わせ・エンタングルメントの概念を中心に考えていて、応用的側面の考察まで及んでいない点も明記しておきます。} \paragraph{\centering 以下が原稿で、私の運営しているブログは\href{https://www.nowkouji226.com/}{物理学への道標【科学史から】}です。}\paragraph{\centering ☆} \paragraph{\centering ☆} \paragraph{\centering ☆}\section*{\centering 「重ね合わせとエンタングルメント」}\paragraph{\centering 本稿では物理学での大事な概念である「重ね合わせとエンタングルメント」について3つの角度から掘り下げていきます。1925年のハイゼンベルグの行列力学の論文以後に生まれ、様々な解釈が続き、エンタングルメントも段々に実態を表していきます。} \paragraph{\centering 多くの人が議論して育んでいる概念です。会社員兼ブロガーとして活動している私・コウジが、一般の人に出来るだけ分かり易く「重ね合わせとエンタングルメント」という興味深い物理現象をご紹介してみたいと挑戦します。エンタングルメントに関心を持っている方はじっくり読んでみて下さい。そしてご意見を頂けたら幸いです。}\section*{\centering 「視点1.シュレディンガー【1935年発表「量子論と測定」】」\paragraph{\centering さて、シュレディンガーによる1935年発表の「量子論と測定」に出てきた重ね合わせとエンタングルメントの概念に着目しご紹介します。その論文はいわゆるアインシュタイン達のEPR相関が提唱された直ぐ後に提起され、後の時代の視点で考えたら、量子力学における局所性に対しての土壌を示したとも考えられます。} \paragraph{\centering 量子力学の限界を疑問視していたとも解釈されます。量子力学は優れたモデルですが、シュレディンガーが疑問に思ったように完全に物理現象が把握出来ているか吟味解釈し続けなければなりません。} \begin{document}\begin{center} \large 当該論文(1935年)で「シュレディンガーの猫」の思考実験が使われます。絡み合った量子力学的な事象が観測事実と関連されていくのか、シュレディンガーは疑問を呈したのです。 \end{center}\begin{center} 念の為に実験環境を再現しておくと、 \end{center}\begin{center}①箱の中に猫が居て、毒物で猫が死ぬかもしれない\end{center} \begin{center}②量子力学的な事象がガイガーカウンターと連動している\end{center} \begin{center}③ガイガーカウンターが猫の毒殺装置と連動している\end{center}\begin{center} 結局のところは、思考実験の環境を作っておけば箱を開けるまで猫が死んでいるか生きているか分からないので普通(⇒巨視的(常識的))に考えたら判断しかねる(⇒もつれあった)現象が箱を開けるまではっきり言えないということになりどっちなのか量子力学と巨視的な猫の状態で「説明してみて御覧なさい」というのがシュレディンガーの疑問提起です。 \end{center}\begin{center} ☆ \end{center}\begin{center} ☆ \end{center}\begin{center} ここでの絡み合いが「量子多体問題における相関」ではない点にも注意が必要です。猫は沢山の量子から構成されますが実験の結果に関わる量子はガイガーケースに「崩壊してますよ!!」とあるタイミングで情報を発信する原子です。対象原子が他の原子と相関している想定ではありません。 \end{center}\begin{center} とはいえ、私自身がシュレディンガーの原文を読みこなせていたか再考してみても良いかも知れません。英訳版があった気がするのですが未確認です。センサーと崩壊する原子間のエンタングルメントは仄めかされて(ほのめかされて)いないでしょう。論文の主題は隠れた変数へとつながる量子力学の全体像への問題提起だと理解しています。 \end{center}\begin{center} 時間平均・空間平均といった概念をシュレディンガーは波動関数に対してどのようにとらえていたのでしょうか。興味は尽きません。ディラックの表現によれば波動関数は統計的側面を持つと言えます。特定の観測値を持つ波動は確率で表現されます。 \end{center}\end{document}\begin{center} ☆ \end{center}\begin{center} ☆ \end{center}Follow me!関連FacebookXBlueskyHatenaCopy投稿ナビゲーション前の投稿: ポール・ランジュヴァン【双子のパラダイスを議論しソナーを開発】ー7/13改訂次の投稿: アイナー・ヘルツシュプルング ‗【H‐R図で恒星を整理して星の明るさと表面温度を考察】-7/14改訂 コメントを残す コメントをキャンセルコメントを投稿するにはログインしてください。